これでいいの?ローマ教皇さまのハッピのあやしいスペイン語 法被 誤植
ニュースにフランシスコ ローマ教皇がおでましになっていました。
ぼくは自称・Richard Dawkinsの弟子なので,特に感動するでもなく,ぼーっとニュース写真をみていました。
なんか趣味のわるいはっぴみたいなものをきせられています。ちょっと気の毒になりながらみていると,
¿あれ? ¡スペイン語がかいてある! イタリア語じゃなくて?
あ,かれがアルゼンチン出身だからか・・・
うん? なにこれ?
このむかってみぎのすその文。
¡Que toda creatura sea feliz!
ぱっとみスペイン語の祈願文 だな。
感嘆符をひっくりかえす言語なんてほかにないからね。
えーっと「すべてのいきとしいけるものがしあわせになりますように」かな。
でもまてよ,スペイン語で creature(創造物・動物)はたしか criatura のはず。creaturaはイタリア語のほうだよな・・・
あやしみはじめると,¡あ!ほかにも変なところがあるぞ。
todaは「すべての」。「すべてのいきもの」なら複数形のはず。 それともcriaturaって集合名詞かなんかだったかな?それにtodaのあとの定冠詞もぬけているのでは?
これはやはり
todas las criaturas
のはず。そうなるとsea(スペイン語のbe動詞 ser の接続法現在形)も3人称複数形sean になる。そして補語の形容詞feliz(しあわせな)も主語の複数に一致させて,feliz→felicesにすべきだ。だからこの文は
¡Que todas las criaturas sean felices!
になるべきではないでしょうか?
スペイン語のnative speaker(スペイン女性)にたずねてみました。
Mi primera pregunta de hoy es sobre la gramatica espanola.
きょうの最初の質問はスペイン語の文法についてです。
Sabe Usted que el Papa Francisco vino a Japon? Se puso un abrigo japones clasico.
教皇フランシスコが日本にきたことをしっていますか?かれは古典的な日本のコートをきました。
Pero creo que esta frase en el abrigo es equivocada.
しかし、コートのこのフレーズはまちがっているとおもいます。
結論としては¡Que toda criatura sea feliz!はまちがいではないそうです。「all creaturesの意味ならtodas las criaturasではないですか?」ときくと,「普通はそうだけど,todoにはeveryのような用法もあるから」とのお答え。
そうか!そういえばそういうのあったような・・・
辞書をみてみると・・・
たしかにありますね。
うちにあったかみの辞書もみましたが,todo+無冠詞単数名詞は「どんな~も」,つまりanyの意味とかかれていました。
頻度はどうなんでしょう?
Ngram でtodas+las+criaturasとtoda criaturaをしらべてみました。
todas+las+criaturasのほうが多いみたいですね。
勉強になりました。