Amapola のたぶん世界一くわしい解説

スペイン語をまなぼう 1 

Amapola の世界一くわしい解説

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¡Hola! ¿Qué tal?

¡Vamos a aprender español juntos !

 

ぼくがスペイン語をすきになったきっかけは Adoro という歌でした。

スペイン語って ひびきがけたたましいイメージがありますよね。

でもなじんでくると きもちいいです。とくに歌は。

日本語に にて,母音がゆたかだからなのか,英語の歌以上に

こころにぐっとはいってくる感じがするんです。

 

でも Adoro は文法的にレベルが高いので,またいつかやることにして,

きょうはスペイン語の歌のなかで,たぶんもっとも簡単で,かつもっともうつくしい Amapolaヒナゲシ」の歌詞をとりあげます。

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初心者のかたにもよめるように,文法の初歩もまじえて,めっちゃくわしく説明しました。これをよんでスペイン語に興味をもっていただければうれしいです。

ついでに英語の勉強にもなるように,語源の説明もいたしましょう。

でもそのまえにまず歌をきいてスペイン語の音になじんでください。2回めは下の歌詞をながめながら。スペイン語は基本ローマ字読みなので文字と音はちゃんとつながるはず。「あいまいな母音」とかいっさいない,はっきりした母音のひびきをあじわってください。

 

     AMAPOLA

   José María Lacalle García作曲

 

www.youtube.com

 

Amapola, lindisima amapola,

Será siempre mi alma tuya sola.

Yo te quiero, amada niña mia,

Igual que ama la flor la luz del día.

Amapola, lindisima amapola,

No seas tan ingrata y ámame.

Amapola, amapola

Cómo puedes tú vivir tan sola.

 

   

★それでは解説します。

 

★1 Amapola, lindisima amapola,

ヒナゲシよ,とてもきれいなヒナゲシよ」

=Amapola, most pretty amapola

 

*amapola「ヒナゲシ」。はかなげな花ですね。漢字では「虞美人草」。花言葉は「恋の予感」(Wiki)。安全地帯ですね。

*lindisima は形容詞 lindo 「きれいな,かわいい (pretty)」の絶対最上級 lindisimo の女性形。amapola が女性名詞なので,それにあわせています。スペイン語では名詞に男性と女性があり,男性名詞はたいてい o でおわり,女性名詞はたいてい a でおわります。形容詞もそれにあわせて語尾を o や a にかえます。じゃまくさいと思われるかもしれませんが,それによってデフォで韻をふんでいるみたいになり,きれいにきこえるのです。

*形容詞に -isimo, -isimaをつけると「とても~」の意味になります。これを絶対最上級(←なんかかっこいいひびき)といいます。「ほかのものとくらべていちばん」という相対最上級(英文法でつかう普通の最上級)ではないという意味です。音楽でf(forte)「つよい」のうえにff (fortissimo)「とてもつよい」ってありますね。あれはイタリア語だけど,やはり絶対最上級。ピチカート・ファイブのアルバムに Bellissima! っていうのがあるけど,あれも絶対最上級「とてもうつくしい」です。

 

 

★2 Será siempre mi alma tuya sola.

「ぼくのこころはずっときみだけのもの」

=My heart will always be yours alone.

 

*Seráは動詞ser(=be)の未来3人称単数形(will beにあたる)。Que Será, Será という英語の歌に出てくる será がこれ(正しいスペイン語では Lo que será, será. )。siempreはalways。mi almaはmy soul。

 

*tuyaは英語のyours「きみのもの」にあたる所有代名詞。

*alma「こころ,たましい」は-aでおわっているので女性名詞。だからこれをさすtuyaも女性形。

solaは「ただひとつの」という形容詞soloの女性形です。これもalmaにあわせています。soloは「ソロアルバム」「ギターソロ」のsoloと同じ語源です。solitude「孤独」, solitary「孤独な」, sole「唯一の」とも同じ語源。

solaはここではaloneの意味で副詞的につかわれています。soloは副詞的なときもsoloがさす名詞や代名詞に性と数をあわせます。これはフランス語の seul でもおなじです。スペイン語では動詞の形で主語の人称と数がわかるので,主語代名詞がはぶかれることが多いのですが,結果的にsoloの形で主語の性がわかることもあります。

Vive solo.「かれはひとりでくらしている」

   →主語él「かれ(él)」が省略されている。viveはvivir「生きる,くらす」の3人称単数現在形。

Vive sola.「かのじょはひとりでくらしている」

   →主語ella「かのじょ(ella)」が省略されている

Vivimos solos.「わたしたちはわたしたちだけでくらしている」

   →「わたしたち」が複数なのでsoloに-sがつきます。スペイン語では複数はすべて-(e)sであらわします。-sの発音はいつも[s]。menとかchildrenのような例外はありません。

 

*ところで,この部分,英語やフランス語になれた人にとっては語順がすごいです。英語にするとつぎのようになります。

 

Será + siempre + mi alma + tuya + sola.

Will be + always + my soul + yours + only.

 

学校英文法式にいうとVSCの順。でも疑問文じゃありません。

 スペイン語って語順がめっちゃ自由なんです。

 

 

★3 Yo te quiero, amada niña mia,

「きみがすきだ,わたしのいとしいこ」

=I love you, my dear girl.

 

*Yoは「わたしが」。1人称代名詞の主格。teは「きみを」。2人称代名詞 tú の目的格。

*quieroは動詞querer「~が好きだ,~がほしい,~をもとめる」の1人称単数形。quererは英語の require, request, quest, question, acquire, inquireと同じ語源です。どれも「もとめる」の意味をふくんでいます。

*スペイン語では I + you + love の順になります。な~んだ,日本語とおなじですね。

*amada は amar「~を愛する」の過去分詞 amado の女性形。ここでは形容詞としてniña「女の子」にかかっています。amaramateur「愛好家,アマチュア」, amiable「やさしい,愛想がいい」とおなじ語源。スペイン語のamigo「ともだち」もおなじ。amarはquererよりやや文語的で,日常的にはあまり使われていないみたいです。「愛する」と「好き」みたいなちがいかな?

niña は「女の子(=girl)」。niñoは「男の子」。「エルニーニョ(el niño) 現象」「ラニーニャ(la niña) 現象」ってこれらからきてます。このel niñoとはキリストのことです。

    ★ñは「エニェ」という文字で,ñaは「ニャ」とネコっぽく発音します。

*スペイン語は-oと-aをかえるだけで男女をあらわせるのでめちゃ便利。例 abueloが「おじいちゃん」,abuelaは「おばあちゃん」,hijoが「むすこ」,hijaは「むすめ」,hermanoがbrother,hermanaがsister … というように。

*miaはyo「私が」の所有代名詞mio「私の(もの)」の女性形。名詞のまえだと「私の女の子」はmi niñaで,miはあとに男性名詞がきても女性名詞がきてもかたちがおなじですが,女性名詞のあとにmiをおくときはmiaとなります。

amada niña mia直訳すると「わたしの愛される女の子」。

 

 

★4 Igual que ama la flor la luz del día.

「はながひるのひかりを愛するように」

 

*igual「ひとしい」は equalegalitarian「平等主義の」とおなじ語源のことばです。igual que + 節で「~とおなじように」の意味になります。英語の 接続詞as や like とおなじ。

*ama は動詞 amar「~を愛する」の現在3人称単数形。主語は la flor「花」,目的語は la luz del día「光」です。del は前置詞 de(=of) と定冠詞 el( =the) が合体したもの。la luz del díaはthe light of the dayです。

*flor はもちろん flower とおなじ語源。aでおわっていないけれど女性名詞なので,女性の定冠詞 laがついています。フランス語では「花」は fleur, イタリア語ではfioreFirenzeフィレンツェ」もFlorentia(=花の女神 floraの都)がなまったもの。floraは英語ではある地域の植物の生態系のことを意味しますが,ひろい意味では細菌など微生物の生態系もさします。最近「腸内フローラ」が話題ですね。澁澤龍彦(しぶさわ たつひこ)の「フローラ逍遥」といううつくしい本があります。

*luzはラテン語 lux「光」から。照度の単位 lx「ルクス」もおなじ。これもaでおわっていないのに女性。まあこういう例外もちょっとあります。

*ama la flor la luz del día の語順は V + S + Oです。動詞がまえにでるのはスペイン語ではよくあることです。

*この部分全体は副詞節で,まえの Yo te quieroにかかります。

 

 

 

★5 No seas tan ingrata y ámame.

「そんないやなかおしないで,ぼくをすきになって」

=Don’t be so mean and love me.

 

*Noは否定語 not。seasは動詞ser (=be)の接続法現在2人称単数形。接続法現在形は英語の「仮定法現在形」にあたるかたち。スペイン語の否定命令文は no + 接続法現在形  でつくります。

*tanは「そんなに」= so (much)。英語のtantamount「ひとしい」の tant と同じ語源でラテン語tantus からきています。

*ingrata は形容詞 ingrato「感じがわるい,恩しらずの,」=ungrateful, unpleasant, mean。in- は否定の接頭辞で,grat は「よろこび,好意」を意味するラテン語の語根です。grateful「感謝している」, gratify「~をよろこばせる」, congratulation「(ともによろこぶ→)祝福」, gracious「やさしい,好意的な」はみなおなじ語源。

 *ámame は amar「~を愛する」の命令形 áma に「わたしを」をあらわす代名詞 meが合体したもの。スペイン語の動詞には代名詞がくっつくことがよくあります。英語でいえばlovemeって書いているようなものです。

 

★6 Cómo puedes tú vivir tan sola.

「どうしてきみはそんなふうにひとりでいきられるの?」

=Why can you live alone like that?

 

*Cómoはhow, why。puedes は助動詞 poder (=can) の2人称単数現在形。英語の potent「力強い」, possible, そしてpowerも,みんなpoderと同じ語源でラテン語potis「力がある」からきています。

 *túは2人称単数代名詞主格「きみが」。vivirは動詞vivir「いきる,くらす」の不定形[原形]。英語のrevive「生きかえる」, survive「生きのびる」, vivid「生き生きした」, Viva! 「万歳(=1万才まで生きて)!」, vivace「生き生きと,活発に(音楽用語)」も同じ語源。

tanは★5参照。solaは★2参照。

 

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 それではまた~ ¡ Hasta la vista !