欲望の民主主義 やっちゃったね NHK

欲望の民主主義 やっちゃったね,NHK 

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きょうはまえにNHKでやっていた「欲望の資本主義」の続編で「欲望の民主主義」という特集番組をみていました。そのなかに「民主主義」という概念の起源を語源から考察する一節がありました。受験生のみなさんも勉強になるのでみてください。(この語源は「システム英単語Premium 語源編」にも収録しています)

 

以下,番組のキャプチャ画面(29分20秒あたり)です。

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この英単語は

 

 

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うえのギリシャ語(ローマ字転写)がその起源です。

 

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このようにもとの意味は「民衆(が国を)支配すること」なんですね。勉強になりますね。

 

 

 

でも・・・なんか変じゃないですか?

すでに気づいたひといますか?

 

 

ちょっともういちど最初のキャプチャからよーくみなおしてください。

 

 

みなさんもう気づきましたか?

 

 

 

はいそうです。

「民主主義」の

つづりは

Democrasyでは

ありません。

 

民主主義は

democracyです!

 (と,おにのくびをとったようにいってみます)

 

 

democrasyをみたとき,「えっ??この単語のつづりdemocrasyだったっけ?ぼくはいまのいままでdemocracyとまちがっておぼえていたのか?」と一瞬ひやあせでましたよ。

べつにNHK無謬信仰をもっていたわけじゃないけど,NHKデモクラシーの特集でデモクラシーのつづりまちがうわけないとおもったので。語学番組もいっぱいつくっている国営放送がこんなのまちがうとはおもわなかったので。

 

即辞書をひきました。そしたら・・・

やっぱり

democracy

じゃないかあっ!!!

もしかしたらぼくがしらない言語ではdemocrasyとかくのかもしれませんが。

フランス語ではdemocratie, ドイツ語ではDemokratie, スペイン語ではdemocraciaです。

 

ためしにWord文書で democrasy とうちこんだら,すぐにdemocracyに自動修正されたよ(笑)。

 

これがニュースの字幕とかにでてきたあやまりならぼくも「あ,まちがってるわ」とおもっただけでほっといたでしょう。アメリカのニュースの英語字幕みていてもまちがってることがあります。つづりなんてだれでもまちがうもんです。

 

でも今回は民主主義をテーマとする特集番組のなかの,しかもdemocracyの語源を説明する教育上重要な部分なので,ちょっとまずかったんじゃないでしょうか。

 

全画面つかってのDemocrasy,豪快すぎです。

 

ぼくも視聴料をきちんとはらっているのでひとこといわせてもらいたいです。

 ちゃんと校正してください!!!

(と,おにのくびでもとったように)

 

高校生や受験生や一般人が democrasyって信じたらこまるでしょう。NHKには河野悦子さんみたいな有能な校閲者はいないんでしょうか。

 

まあ「アナザー・ストーリーズ」なんていう,このブログでとりあげる気もおきないような番組タイトルを平気でつくっちゃう放送局ですからね。英語をなめてるのかもしれません。

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written by spotheory

アナザーストーリーズ 運命の分岐点 - Wikipedia

 

 

 

それにしてもどうしてこんなことがおきたのでしょうか?単なるケアレスミス

 

ここからはぼくの推理にすぎませんが,かつてネットの情報をひろってきてオランダの面積が日本の50分の1と放送してしまったNHKですから(したの記事をごらんください),

spotheory.hatenablog.com

 

中学生が宿題の作文かくときみたいに,まーたどこかのサイトをコピペしちゃったんじゃないかな? とおもったので,

「democracyの語源を解説していて,かつdemocracyのつづりを"democrasy"とまちがえている」サイトがあるんじゃないかなとさがしてみたら・・・

 

やっぱり ありました・・・

 

しかもふたつも・・・

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このどちらかがソースかも。なんか弁護士とか行政書士とかえらい先生がたがかいた文章みたいなので,NHKもコピペのチェックがあまかったのかな?

 

とにかくこれちゃんと訂正だしてほしいですね。

 

さて,あげあしとりはこれくらいにして, -cracy(統治,支配制度)がつく単語はけっこうたくさんあります。ぼくがおもいつくものでは:

 

democracy 693 民主主義(国),民主政治,民主制

aristocracy 52 貴族政治

bureaucracy 36 官僚政治

meritocracy 14 能力主義の社会,エリート支配

plutocracy 1 金権政治

autocracy 0 独裁政治

technocracy 0 技術者・学者による支配

theocracy 0 神権政治

 

数字は15年分の入試英語データベースにおける出現回数です。

 

 語源で単語をおぼえると,つづりをまちがえにくくなるので得します

-cracy(統治,支配制度)という語源をしっかりおぼえていたら,うえのすべての単語の-cracyのところをまちがうことはけっしてありません。

 

では-crasyでおわる単語ってあるんでしょうか?

これ以外おもいだせません:

 

   idiosyncrasy 2  特異性

 

ぼくが学生のころ,イギリス人の先生がスペイン人学生に「なんで英語のtemporal and conditional adverbial clausesでは未来のことを現在形であらわすんだ?」としつこく質問されてこたえられずにこまっていたので,ぼくが

"I'd say that's just one of the indiosyncrasies of English." となんの説明にもならないコメントをしたら,先生にすごく感謝されました。先生は「これからやっかいな文法の質問されたらidiosyncrasyでにげることにしよう」といっていました。

 

 

 

 

P.S. いろんな辞書をひいてみたらdemocrasyがのっている辞書がひとつだけありました!!

 

ぼくが愛用しているおふざけ辞書URBAN DICTIONARYです。

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訳:Democrasy: 

「democracyをただしくつづることができない無知な大衆が政策決定を支配する投票制度」

 

 きっつい皮肉がきいてますね(笑)。

 

 

ちなみに,もちろんぼくも講義中はよくつづりのまちがいをしますので,よろしく。みなさん気づいたらちゃんとつっこんでくださいね。

 

では See you soon !

 

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