秘伝! アクセント ルールのおぼえかた
センター試験のテスト演習の成績をみていると,アクセントの問題がにがてな人がおおいですね。
「アクセントなんてなんでいちいちおぼえないといけないかな」とおもっている人もいるでしょう。でも英語をはなすとき,アクセントをまちがえると通じないことがけっこうあるんです(とくに,みじかい単語)。
ぼくは母音や子音がおかしかったせいで相手にききかえされたことは意外とすくなかったです。大学生のとき”Ship”といったつもりが,[i]を発音したときくちびるの緊張がつよすぎたらしく,イギリス人の先生に ”Sheep?” とききかえされたおもいでがあるくらいです。
でもやはり大学時代,Lincoln「リンカーン」と2回いってもイギリス人にわかってもらえなかったときのことはよくおぼえています。i にちゃんとアクセントをおいていなかったせいでした。
これ以来Líncolnは二度とまちがわなくなりました。
atheist「無神論者」もついeにアクセントをおいていったらききかえされたことがあります。ただしくはaがつよいのです。
単語のアクセントをちゃんとおぼえるにはどうしたらいいでしょう?
もちろん,その単語のおとをなんどもきき,なんども発音することです。
いまは電子辞書の音声ボタンをおすだけできれいなnativeの発音がなんどでもきけますね。
音声ボタンつかってますか? つかわないと損ですよ。
でもテストではじめてみる単語がでたらどうすればいいんでしょう?
アクセントにはルールがあることはみなさんしっていますね。
-eerでおわるcaréer, pionéer, enginéer, voluntéerは全部-éerのところにアクセントがありますね。
-icという語尾でおわる語は,-icの直前にある母音がつよいことをしらないひとはあまりいないでしょう。 economic, romantic, systematicなどはこのルールをしっていればまちがうことはありません。aristocratic, bureaucratic, pragmatic, esotericのようなむずかしい語をはじめてみても,自信をもって発音できますね。(póliticsは例外!!)
でも,こういう語尾のルールはけっこうたくさんあるので,そのルールをおぼえるのがまたひと苦労ですね。
そこでそのルールをひとまとめにしてわすれないようにするために,語尾をおりこんだ暗記用の俳句みたいなものを作ってみました。元素周期律表のおぼえかた「ベッドにもぐればかの女の・・・」みたいなもんです。もしこれでおぼえられそうなら,使ってみてくださいね。
まず,-icのように「直前の母音にアクセントがある」語尾です。
これをつくったのはぼくが塾でおしえはじめた20代のころです。ちょっとなつかしいです。
「イアンとイオンがいっしょにはるばるイカルガシティに行く」にふかい意味はありません(Ianという人はほんとにいますが,Ionさんはどうでしょう)。
-sal, -valの直前にアクセントがあるのは「動詞の名詞形」ですから注意しましょう。-sal, -val 以外の-al一般についてもいえます。
propósal, arríval, survíval, revíval, deníal
それ以外の-alはふたつまえがおおいです。
féstival, oríginal
-icalをおぼえるなら,ついでに-ialと-ualもいっしょにおぼえなきゃ損。-icalのcをぬけば-ial, -ialのiをuにかえると-ualになりますからね。(spíritualは例外!)
-ityと-etyもあわせておぼえてください。-ianと-ientもできればいっしょにおぼえましょう。
この「イアンとイオン・・・」にはいってない語尾がいくつか気になっていました。それをまとめたのが「直前の母音にアクセントがある語尾 part 2」です。これは去年おもいついたばかりの新作です。
「いつでもシブくきめてるね!」これをおぼえると,さっきのとあわせて計12個の語尾をgetしたことになります。
さて,こういうおぼえかたもまあありでしょうが,ぼくがほんとうにすすめたいのは,
「ルールをふくむ単語でルールをおぼえる」
ことです。
かんがえてみてください。みなさんはうたのメロディをわすれて歌詞だけをおぼえているのと,歌詞をわすれてメロディだけをおぼえているのでは,どちらがおおいですか?
人間は音自体をおぼえるほうが,文章をおぼえるよりとくいなのです。
だから「-graphは2つまえ」とかおぼえるより,そのルールをふくむphótograph という単語をなん回もくりかえしてきいたりいったりしておぼえてしまうほうが確実なのです。
そしてたとえばテストにtelegraphがでたら「えっと,phótographとおなじ語尾だからひとつ,ふたつまえで,télegraph !」とかんがえればいいんです。
ついでですが,-graphと-graphyはちがいますよ!photógraphy はgraphyの直前のoにアクセントです。注意してね。これも「graphyは直前」とかおぼえるくらいなら, photógraphy,photógraphy,... と10回ほどくりかえしておぼえちゃうほうがいいです。
それではこのかんがえかたでこんどは「2つ前の母音にアクセントがある語尾」のルールをおぼえましょう。
これも去年,東京の数研出版にいくときに新幹線の中でおもいついたばかりのものです。ふくまれているのは重要な語尾ばかりですよ。
It’s dangerous
to criticize
his favorite
photograph
immediately.
「かれのお気にいりの写真をすぐに批判するのは危険だ」です。
これは文法的にもいちおうあってるし,ちゃんと意味のある文です。
かれのへやにはいって即,かべにはってあるアイドルのポスターをみて
「だれこのブッサい女?」
なんていうと危険でしょ?
immediatelyのlyは,ついてもつかなくてもアクセントに影響ない語尾なので,無視してください。
-ateはセンター試験最頻出語尾ですね。2008年なんてこの語尾をふくむ語が3つも出ました。あ,この年に出たadequateには注意!quは[kw]と発音するので,このuは母音じゃありません。だから
ádequateが正解。
それでは,ここまででてきたルールをおぼえた人は,つぎの単語のアクセントがある母音をあててください。むずかしい語もありますが,意味がわからなくてもアクセントはわかるはずです。
(1) definite
(2) biography
(3) identical
(4) politician
(5) recognize
(6) establish
(7) perpetual
(8) aptitude
(9) fabulous
(10)speedometer
解答
↓
↓
(1) définite
(2) biógraphy
(3) idéntical
(4) politícian
(5) récognize
(6) estáblish
(7) perpétual
(8) áptitude
(9) fábulous
(10)speedómeter