学校と前置詞

学校と前置詞

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学校のはなしを英語でするときにかかせない前置詞のつかいかたをまなびましょう。

 

 

「その学校の学生」はどういえばいいですか?

 

a student of the schoolではだめでしょうか?

 

Ngramでみてみましょう。

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ofもありますがin やatのほうがずっとおおいようですね。

 

じゃあ「その学校の先生」は?

 

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やはりinとatがおおく,ofは少数派のようです。

 

 

では「その学校の校長先生」はどうでしょうか。

 

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あれ?teacherとはようすがちがいますね。

the principal of the schoolが圧倒的におおいようです。

 

これはschoolとの関係のちがいによるのでしょう。普通の教師はひとつの学校にたくさんいる教師のひとりです。また教師にとって学校はいまはたらいている場所にすぎません。

いっぽう校長はひとつの学校にひとりしかいませんし,その学校の組織の代表として学校とつよくむすびついた存在です。ofは単に場所をさすinやatとはちがい,つよい関係をあらわします

the president of the university「その大学の学長」やthe President of the United Statesにもofがつかわれますね。

 

 

ところで「そのへやのまど」はどうでしょう?

 

 

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inもありますが,ofがおおいですね。

 

 

じゃ「そのへやのつくえ」は?

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"desk in the room"と"desk of the room"をしらべたのですが,"desk of the room"はすくなすぎてグラフにあらわれませんでした。

 

つくえはいまそのへやのなかにおかれているだけで,へやはつくえがある場所にすぎません。だからinがつかわれるのでしょう。

でもまどはへやの構造の一部です。へやから移動することもできません。

へやとのむすびつきはつくえよりずっとつよいですね。だからofがこのまれるのでしょうね。

 

それではまた~

 

 

 

クイズ この文を訳してください 2

クイズ この文を訳してください 2

今回は人気シリーズSherlock Holmsから。

 

このせりふを和訳してみてください。

 

 

 

大学入試にもこういうのでるかも。

いやすでにでています。

 

 

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There are no ghosts in this world.  Save those we make for ourselves.

 

 

 

 

 

 

それでは解答例です。

 

「この世界に幽霊なんていない。

私たちが自分でつくりだしたもの以外はね」

 

 

という感じでしょうか。

 

たしかに後半だけなら「私たちが自分で作る幽霊を救え。」という意味にもとれます。このせりふではいったん文がきれているのでsave「~をすくう」の命令文にみえるのもむりはありません。でもなんで幽霊を救出しないといけないのかわからないし,まえの文ともつながりません。

 

saveを辞書でひくと,Geniusならsave2というみだしがあって,「前・・・を除いて,・・・のほかは(=except) 」とあります。前置詞なんですね。(シス単にものっています)

語源は動詞のsaveや形容詞safeとおなじです。

 

 

 

これで解釈すると,まえの文ともうまくあいますね。

no A ...save B「Aはない,Bはのぞいて」となります。

 

このsaveはexceptとおなじく,allやeveryと呼応することもあります。

 

 All the guests have left save one or two.成蹊大学

「客はひとりかふたりをのぞき,みんなかえった」

 

for ourselvesは「自分で」としてみましたが,これをどう訳すかは微妙なところです。

 

 

 Ninaさんのおこたえが解答例にいちばんちかいですね。

Riさんのもけっこうちかい感じかな。

 

コメントいただいたみなさん,ありがとうございました!

 

 

★ p.s.OEDをよむと,この前置詞のsaveにはnative speakerにとってもやはり命令文的feelingはちょっとあるようです。「 ~だけはべつにとっといてね」みたいな感じですかね。

 

But the later exclusive use of the form save is probably due to the identification of the word with the imperative of the vb.(OED)

 

 

 

 

 

 

クイズ どこかおかしい?

クイズ どこかおかしい?

 

さてまたクイズです。

まえのクイズがむずかしかったらしいので,今回はやさしめです。

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http://www.kana-bun-yokosuka.com/closeup/1012.html

 

 

これはネットでみかけた記事です。英会話の先生とのインタビューですが,これをよんでなにか気づくことはありませんか?

おかしいところに気づいたひとはコメント欄におこたえください。

 

★★ 正解がでました!

 

そうですね,このひとは完全に逆におぼえてしまっているようです(orライターのまちがいかも)。

 

 

bald  [bˈɔːld ]「ボールド」が「はげている」,

bold [bóʊld ]「ボウルド」が「大胆だ」です。

 

 

baldの ɔː長母音,boldのóʊ二重母音です。

アメリカ的発音のbaldバーウドにちかくきこえます。くちがおおきくひらくからです。

 

いっぽうbold /ó/はくちがちいさいので日本語の「オ」でもいけるでしょう。

 

というわけで,そりゃいきなり You are bald !おまえはげてる」なんていわれたらはげていないひとでもおどろいてあたまをさわるかもしれませんね。

 

 

★記憶法

ややこしいとおもうひとは

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 とおぼえてはいかがでしょう?

 

実際,baldの発音は ball  /bˈɔːl/+d なのです。

 

be as bald as a billiard ball「ビリヤードのボールのようにはげている」という慣用句もありますよ。rhyme(脚韻)しているんですね。3個のbのalliteration(頭韻)もおもしろい。

 

 

 

あと,skinhead「坊主あたまの(ヤバイひと)」はbaldとはまったく意味がちがいますね。

skinhead: a young person with very short hair, especially one who is violent, aggressive and racist (OALD)

 

 

 

ネットはやくにたちますが,まちがった情報もいっぱいあります。

対策は「これはあやしいとおもったら複数のsourceをしらべる」ことくらいでしょうか。

 

このブログにもまちがいや表記のミスなどがあるとおもいますので,なにかお気づきでしたらおしえてください。

 

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 See you soon!

 

クイズ この文を訳してください

クイズ この文を訳してください

ネットには人生論的なメッセージとかモットーみたいな英語をかいた画像が無数にありますね。

 

こういうのよむの,ぼくはけっこうすきです。

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 Life is too short to worry about stupid things. Have fun. Fall in love. Regret nothing.

めちゃpositiveですね。こんな人生おくれたらいいな。

 

 You can't start the next chapter of your life if you keep re-reading the last one.

たいしたことはいってないのに,表現がかっこいいですね。

 

I never lose.  I either win or learn.

 いやあかっこよすぎてまいりましたー。

 

 

★さてクイズです。

 

こんな画像がありました。

あなたはこれどういう意味だとおもいますか?

 

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Do it because you can't not do it.

 

 

 

読者のみなさん,受験生のみなさん,

あなたがよみとった意味をコメント欄にどうぞ。

 

 

おまちしています。

 

★正解のかたがあらわれました!コメント欄をごらんください。

 

you can't not do it.はつぎのような構造です。

you [can not]+[not do it]  

= it is impossiblenot to do it

それをしない」ことは「できない

=それをせずにいられない

 

 

can'tのnotはcanを否定します。

これを助動詞否定といいます。

 

not do itのnotはdoを否定します。

これを動詞否定といいます。

 

というわけでDo it because you can't not do it.

「それをやらずにいられないんだからやれ!」

 

みたいな意味になります。いいことばだとおもいますが,

「それ」がなにをさすかにもよりますね。わるいくすりとかカンニングとかだとちょっとまずいかも。

 

 

なお,

a) can be~ が「 ~でありうる」

b) may be~ が「 ~であるかもしれない」

で,にたような意味なのに

 

a') cannot be~「 ~ではありえない」

b') may not be~「 ~ではないかもしれない」

このふたつがまるで意味がちがうのも

a')が助動詞否定,b')が動詞否定だからです。

つぎのような意味構造です。

 

 

a') [cannot ]+ [be~] 

=[ ~では]+[ありえない]   

 

b') [may] +[not be~]

=[~ではない]+[かもしれない] 

 

この話は「見える英文法」(p.220, 221)でもくわしくあつかっています。 

 

www.amazon.co.jp

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これすき。とくに4つめが・・・ 最後もうまい。

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関係代名詞 that vs. who 辞書はただしいの?

不定代名詞と関係代名詞 that vs. who

辞書の説明はただしいの?

ふとある辞書をひいたら「え!?どういうこと?」とおもうことがありました。テストの点にかかわることじゃないんですけど・・・

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『語法:which

不定代名詞(something, anyoneなど)の場合

thatまたは関係代名詞の省略が好まれる。』

 

somethingなど「もの」をあらわす不定代名詞については異論ないです。

something, anything, everythingなど+which」って最近みた記憶があまりないくらいすくない気がします。

(まあ限定用法のばあい,不定代名詞以外の「もの」をあらわす名詞が先行詞でもthatがおおいとおもうけど。やたらwhich whichいうのがすきなのは日本人くらいでしょう)

 

とりあえず適当に"something which is easy"をGoogle Booksでしらべると9件。

"something that is easy"は90件。10倍です。

 

Ngramでしらべてみましょう。たとえばsomething +(that/which)+youではどうでしょう。

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やっぱりthatの圧勝ですね。whichのグラフは地をはうようです。ただし,こういう文の一部をとりだすような,おおざっぱなしらべかたでは,接続詞のthat疑問詞のwhich もすこしまじっているかもしれませんので参考程度にしましょう。)

 

 

 

★さて,問題はanyoneのようなひとをあらわす不定代名詞」です。

 

 うえの解説で変だなとおもったのは:

これはwhichの項目にある説明なので,「anyoneのばあい(whichより)thatがこのまれる」とよめますが,そもそもanyoneのうしろでwhichはつかわないというか,まちがいでしょう?それ,このみの問題ですか?

 

anyoneのうしろで「このみ」を比較するならwho vs. thatでは?

 

でもかりにwho vs. thatのことをいっているとしてもthatがこのまれるとはおもわないですね。

 

英語よんだりきいたりしてると,anyone thatよりanyone whoのほうが絶対おおい気がします。

 

 そもそも,この解説がのっている辞書自体の例文を検索したら,anyone whoをふくむ例文は9件もあるけどanyone +thatをふくむ例文は1件もみつかりません!

anyone+接続詞のthatならひとつありましたけど。

(anyone whichがないのはいうまでもないです)

 

Longman (LDOCE)ではanyone who...は32ありますが,anyone thatは 0 です

 

 

 

 こんどは適当なフレーズをGoogle Booksでしらべてみましょう。

 

"anyone that can do"4件

"anyone who can do"62件

 

thatはぜんぜんこのまれてませんね。

whoが15倍くらいおおいですね。

 

じゃあsomebodyとかはどうでしょう?

 

"somebody that can"50件

"somebody who can" 394件

 

やっぱり。somebody thatよりsomebody whoがおよそ8倍おおいじゃないですか。

 

 

 

Googleとかだと,どんな検索システムで数字をだしているかよくわかりませんから,もうすこしちゃんとデータベースでしらべてみましょう。

 

うちにある映画・ドラマのスクリプトデータでつぎのようなsequenceをしらべてみました。

 

(someone|anyone|everyone)+(that|who)+(you|he|they|I|she|we|is|was|has|will|can|may|might|could|would|makes|made|gets|got|had|knows|knew|says)

 

結果は866例のなかで

someone, anyone, everyone + that 119件 (13.7%)

someone, anyone, everyone +who 747件 (86.3%)

 

おもったとおり whoの大勝利です。

*thatの数字からは接続詞thatを,whoの数字からは疑問詞whoを,ざっとみて除去しましたが,そんなに精密ではありません。この統計は参考程度にしてください。

例 If I told someone that I would do something, then it would be done../ Tell someone who you are.のようなやつ。

 (ひまがあるひとは自分でググって,ひとつひとつ品詞をcheckしてください。)

 

 

Ngramもチェックしておきましょう。

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まあどっちをつかってもテストで減点されるようなことはないですけどね。受験生のみなさんは気にしなくてもいいですよ。

 

 

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じゃあどっちでもええにゃん・・・

 

なお今回はnothing, no oneはしらべませんでしたが,興味のあるかたは自分でリサーチしてみてください。

 

CU  !

ノーベル化学賞2017 Wikipediaを編集しました

ノーベル化学賞 2017 

Wikipediaをちょこっと編集しました

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ことしも日本人がノーベル化学賞をもらうのかな,とちょっと期待していましたがこの3人のかたがとりました

 

ニュースをみたあとしばらくして,英語版Wikipediaでこの3人を検索したら,Richard Henderson氏と Joachim Frank氏の記事にノーベル賞受賞の記述がまだなかったので,じゃあちょっとかこうかとおもいました。

 

Joachim Frank氏の記事は もとはつぎのようになっていました。

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これをつぎのように編集しました。

 

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今回の受賞の理由となった業績,cryo-electron microscopy はすでにのべられていたので,そこにカンマをいれて非限定用法のfor whichでそれを指示し,そのあとにhe shared the [[Nobel Prize]] in [[Chemistry]] in 2017 with Jacques Dubochet and Richard Henderson. といれて一度文をきりました。

* 二重の[  ]で語句をかこむとWikiのその項目へのリンクが自動的に挿入されます。

 

つぎにもうひとつの業績の記述のまえにHe alsoをいれて別の文にしました。これでかっこうついたかな?

 

ここでつかったfor whichのforはつぎのforとおなじ用法です。

 

U.S. geneticists Jeffrey C. Hall, Michael Rosbash and Michael W. Young have been awarded the Nobel Prize for medicine for shedding light on the biological clock that governs the sleep-wake cycles of most living things.

 

要はthank A for B, blame A for Bのforとおなじやつですね。「理由」とよんでもいいですが,「交換」「賞罰」のforともいえます。業績のみかえりに賞をもらったわけですね。

 

分野名chemistryのまえの前置詞は inforがつかわれますが,ちょっとまよったので

Ngramにうかがいました。

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inがちょっとおおいめだったので,inにしました。

でもliteratureではつぎのようになっていました。なんかわけがあるのかな?

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ちなみにmedicineではinとforはほぼおなじでした。誤差の範囲かな?

 

というわけで,いちおうおそれおおくもNobel laureateの記事を編集しましたが,気にいらないひとがいたらまたすぐかきなおすでしょう。

 

編集が完成した記事です。

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と,こんな感じで,日本語,英語,フランス語,スペイン語などのWikipediaをときどきちょこっといじっています。

 

では CU!

 

 

DRUG  FREE は麻薬天国??

DRUG  FREE は麻薬天国??

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むかし,ぼくは宝島社からでていたVOWという変な本がすきで,全部もっていました。誤植やへんな看板の投稿写真をあつめた本。その本にのっていた記憶がある,

 DRUG FREE ZONE

という看板。投稿者は海外旅行にいったらこんなのがあっておもしろいのでとったらしい。

 

もしかしたらそのひと,すごい誤解してたのでは?

麻薬やり放題だよ」みたいな意味にとったから投稿したのでは?

 

逆ですね。「麻薬禁止区域」という看板です。どこの世界にわざわざ「麻薬やり放題」って看板だすくにがあるでしょう?

 

GUN FREEという看板をみてもこんなことをしてはいけません。

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freeというのはたしかにちょっとやっかいな単語ですが。

確認しましょう。

 

free + A(名詞) →Aが無料(自由)

A(名詞)+-free  →Aがない・Aは禁止

 

これが原則です。

「Aがない」という意味の表現はみぢかになりつつあるとおもうのですが。「バリアフリー」とか「シュガーフリー」とか。まだうえの原則があやふやなひとがおおいみたいです。

 

Smoke Freeってかいてあるからタバコすってたらおこられた」とか「Alcohol-Free Partyだっていうから,ただでさけのめるとおもったのに,さけが全然でなかった」とかいろいろな悲劇をみみにします。

 

まちがいやすい例をみていきましょう。

まずライブハウスのコンサートなどの「ドリンク無料」は?

 

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Charge込」という言語感覚がすごいですね。

 

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日本英語ではこのようにDRINK FREE をよくみかけます。「ドリンク無料」とおなじ語順なので,われら日本人にはしっくりきますが,これも日本式ガラパゴス Englishです。

 

まあ日本人しかこないイベントならこれでいいんですけどね。

 

でもそれならかたかなで「ドリンクフリー」でいいのに。

英語のくにのひとがみたら「のみもの なし」か

のみもの禁止」だとおもうでしょう。

 

 

日本以外ではもちろんこうです。

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そう,FREE DRINKですね。

 

つぎに日本のWeb Siteでよくみかける 

 

This site is link-free.

 

このサイトはリンクなしです・禁止です」みたいな意味になりますね。

感じわるいです。

 

「リンクは自由」といいたいならPlease feel free to link to us.とかYou are free to link to this page.とかかけといってるひともいますが,ネットの世界ではリンクはるのって自由なのがあたりまえではないでしょうか。

 

公道に面した土地におみせをひらいて,でかい看板をだしといて,その看板のかたすみに

 

「当店を地図にのせるのは自由です」

 

ってわざわざかいてあるようなこっけいさを感じます。

 

自由がデフォなんだから,リンクはってほしくない人だけ「リンク禁止」ってかけばいいとおもいます。また特定のひとだけにみてほしいならFacebookで公開制限するとか,闇Webつかうとか(笑)すればいいですね。

 

この日本ガラパゴス英語もむかしからまちがいだといわれているのに,しぶとくつかわれていますね。これは文化や価値観もからんでるんでしょうね。

 

まあ個人のブログとかなら,どんなとんでも英語かいても個人のfreedomでしょう。

ぼくがこのブログにのせている英文作品の英語だってあやしいもんですしね(いちおうnative speakerにチェックはしてもらっていますが)。

 

でも公共のサイトでは

さすがにlink freeは

ちょっとまずいでしょう。

 

たとえば:

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自然言語処理をしごとにしてるサイトで

不自然英語link-freeはまずいのでは。

 

 

もっとまずいのは大学のサイトです。web siteは世界にみせる大学のかおみたいなものなんですから。

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これは学習院大の研究室。

 

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これは信州大。

 

 

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同志社です。

 

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早稲田の  "Academic Writing Program" のサイトです。

Writingのサイトでlink-free… 

 

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岡山大も。

 まだまだ いくらでもあります。

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北大も。

 

 

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東京農業大

 

 

そしてこれは東京大学のサイトです。

さて,うえに

「A(名詞)+ free   →Aがない・Aは禁止」

とあるのをみて,

「じゃあ『入場無料』のADMISSION FREEはどうなんだ?これは和製英語じゃなくてちゃんとした英語だろ!」とおもったひとがいるかもしれませんので,

それもしらべてみました。

 

まず辞書をみてみましょう。

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たしかにAdmission Freeとあります。

掲示〕とありますね。

 

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こちらにはどちらの順序でもおなじだとかいてあります。

 

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Entry Freeというのものっています。

 

でも,こういうのがのってるのって日本の辞書ばかりのようです。

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LDOCE にもCODにもOALDにもありません。

 

OEDもみましたが

 

free admissionは17件ありますが,

admission freeは 0件でした。

 

「むこうの辞書はこういう掲示みたいなのは

のせないのでは?」

そうおもわれるかたもいるでしょう。

たしかに辞書だけではよくわからない。

 

そういうときは,

そう,画像検索です!

 

まず  "admission free"を検索しました。"   "で語順を固定しています。

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 あれー,語順指定までしてるのに,でてくるのはfree admissionばかり。ひだりのはしのまるいやつはうえとしたにfreeがありますが。あ!みぎしたのやつは?

 

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おしい,isがはいっています。これは文ですね。

 

さらにscroll してさがしてみると・・・

 

 

あ,やっとひとつあった!Admission Freeだ。

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さっそくクリックしてみると・・・

 

 

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がっくり・・・日本のイラスト販売サイトでした。

 

よしつぎはentry freeだ。

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 あれ・・・全部free entry

 

じゃあ だめおしでNgram Viewerでは?

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まあこれは本のデータなので,掲示とかの表現はすくなそうですが。

 

というわけで,みなさんもfreeの表現は誤解しないようにご注意ください。

CU!

 

 

 

 P.S.

ある英語質問forumでこんなやりとりをみつけました。Native Speakerでも意見がわかれるみたいですね。

 

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Entry - Entrance - Admission?

 In a few weeks our students can come see a film at school; they don't have to pay to get in. What do I write on the invitations? Free entry? Free entrance? Free admission? Admission free?
Thx

 

Use either of the last two.
Richard Maurer 

 

 In Britain it would usually be "Admission free".
"Free entry" tends to be used to indicate that there is no restriction on those who are permitted entry. "Free entrance" means that the doors are not blocked.
"Free admission" would be fine, but is unidiomatic.
Matti

 

"Free admission" would be usual in the US unless in menu-like bill of charges: Admission .. Free, T-Shirt .. $12, etc. "Entry" suggest enrollment in some kind of contest or lottery, e.g. "includes free entry in drawing for fabulous door prizes." "Free entrance" does not seem to me very likely in any public gathering.

Joe Fineman