クイズ この文を訳してください

クイズ この文を訳してください

ネットには人生論的なメッセージとかモットーみたいな英語をかいた画像が無数にありますね。

 

こういうのよむの,ぼくはけっこうすきです。

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 Life is too short to worry about stupid things. Have fun. Fall in love. Regret nothing.

めちゃpositiveですね。こんな人生おくれたらいいな。

 

 You can't start the next chapter of your life if you keep re-reading the last one.

たいしたことはいってないのに,表現がかっこいいですね。

 

I never lose.  I either win or learn.

 いやあかっこよすぎてまいりましたー。

 

 

★さてクイズです。

 

こんな画像がありました。

あなたはこれどういう意味だとおもいますか?

 

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Do it because you can't not do it.

 

 

 

読者のみなさん,受験生のみなさん,

あなたがよみとった意味をコメント欄にどうぞ。

 

 

おまちしています。

 

★正解のかたがあらわれました!コメント欄をごらんください。

 

you can't not do it.はつぎのような構造です。

you [can not]+[not do it]  

= it is impossiblenot to do it

それをしない」ことは「できない

=それをせずにいられない

 

 

can'tのnotはcanを否定します。

これを助動詞否定といいます。

 

not do itのnotはdoを否定します。

これを動詞否定といいます。

 

というわけでDo it because you can't not do it.

「それをやらずにいられないんだからやれ!」

 

みたいな意味になります。いいことばだとおもいますが,

「それ」がなにをさすかにもよりますね。わるいくすりとかカンニングとかだとちょっとまずいかも。

 

 

なお,

a) can be~ が「 ~でありうる」

b) may be~ が「 ~であるかもしれない」

で,にたような意味なのに

 

a') cannot be~「 ~ではありえない」

b') may not be~「 ~ではないかもしれない」

このふたつがまるで意味がちがうのも

a')が助動詞否定,b')が動詞否定だからです。

つぎのような意味構造です。

 

 

a') [cannot ]+ [be~] 

=[ ~では]+[ありえない]   

 

b') [may] +[not be~]

=[~ではない]+[かもしれない] 

 

この話は「見える英文法」(p.220, 221)でもくわしくあつかっています。 

 

www.amazon.co.jp

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これすき。とくに4つめが・・・ 最後もうまい。

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関係代名詞 that vs. who 辞書はただしいの?

不定代名詞と関係代名詞 that vs. who

辞書の説明はただしいの?

ふとある辞書をひいたら「え!?どういうこと?」とおもうことがありました。テストの点にかかわることじゃないんですけど・・・

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『語法:which

不定代名詞(something, anyoneなど)の場合

thatまたは関係代名詞の省略が好まれる。』

 

somethingなど「もの」をあらわす不定代名詞については異論ないです。

something, anything, everythingなど+which」って最近みた記憶があまりないくらいすくない気がします。

(まあ限定用法のばあい,不定代名詞以外の「もの」をあらわす名詞が先行詞でもthatがおおいとおもうけど。やたらwhich whichいうのがすきなのは日本人くらいでしょう)

 

とりあえず適当に"something which is easy"をGoogle Booksでしらべると9件。

"something that is easy"は90件。10倍です。

 

Ngramでしらべてみましょう。たとえばsomething +(that/which)+youではどうでしょう。

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やっぱりthatの圧勝ですね。whichのグラフは地をはうようです。ただし,こういう文の一部をとりだすような,おおざっぱなしらべかたでは,接続詞のthat疑問詞のwhich もすこしまじっているかもしれませんので参考程度にしましょう。)

 

 

 

★さて,問題はanyoneのようなひとをあらわす不定代名詞」です。

 

 うえの解説で変だなとおもったのは:

これはwhichの項目にある説明なので,「anyoneのばあい(whichより)thatがこのまれる」とよめますが,そもそもanyoneのうしろでwhichはつかわないというか,まちがいでしょう?それ,このみの問題ですか?

 

anyoneのうしろで「このみ」を比較するならwho vs. thatでは?

 

でもかりにwho vs. thatのことをいっているとしてもthatがこのまれるとはおもわないですね。

 

英語よんだりきいたりしてると,anyone thatよりanyone whoのほうが絶対おおい気がします。

 

 そもそも,この解説がのっている辞書自体の例文を検索したら,anyone whoをふくむ例文は9件もあるけどanyone +thatをふくむ例文は1件もみつかりません!

anyone+接続詞のthatならひとつありましたけど。

(anyone whichがないのはいうまでもないです)

 

Longman (LDOCE)ではanyone who...は32ありますが,anyone thatは 0 です

 

 

 

 こんどは適当なフレーズをGoogle Booksでしらべてみましょう。

 

"anyone that can do"4件

"anyone who can do"62件

 

thatはぜんぜんこのまれてませんね。

whoが15倍くらいおおいですね。

 

じゃあsomebodyとかはどうでしょう?

 

"somebody that can"50件

"somebody who can" 394件

 

やっぱり。somebody thatよりsomebody whoがおよそ8倍おおいじゃないですか。

 

 

 

Googleとかだと,どんな検索システムで数字をだしているかよくわかりませんから,もうすこしちゃんとデータベースでしらべてみましょう。

 

うちにある映画・ドラマのスクリプトデータでつぎのようなsequenceをしらべてみました。

 

(someone|anyone|everyone)+(that|who)+(you|he|they|I|she|we|is|was|has|will|can|may|might|could|would|makes|made|gets|got|had|knows|knew|says)

 

結果は866例のなかで

someone, anyone, everyone + that 119件 (13.7%)

someone, anyone, everyone +who 747件 (86.3%)

 

おもったとおり whoの大勝利です。

*thatの数字からは接続詞thatを,whoの数字からは疑問詞whoを,ざっとみて除去しましたが,そんなに精密ではありません。この統計は参考程度にしてください。

例 If I told someone that I would do something, then it would be done../ Tell someone who you are.のようなやつ。

 (ひまがあるひとは自分でググって,ひとつひとつ品詞をcheckしてください。)

 

 

Ngramもチェックしておきましょう。

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まあどっちをつかってもテストで減点されるようなことはないですけどね。受験生のみなさんは気にしなくてもいいですよ。

 

 

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じゃあどっちでもええにゃん・・・

 

なお今回はnothing, no oneはしらべませんでしたが,興味のあるかたは自分でリサーチしてみてください。

 

CU  !

ノーベル化学賞2017 Wikipediaを編集しました

ノーベル化学賞 2017 

Wikipediaをちょこっと編集しました

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ことしも日本人がノーベル化学賞をもらうのかな,とちょっと期待していましたがこの3人のかたがとりました

 

ニュースをみたあとしばらくして,英語版Wikipediaでこの3人を検索したら,Richard Henderson氏と Joachim Frank氏の記事にノーベル賞受賞の記述がまだなかったので,じゃあちょっとかこうかとおもいました。

 

Joachim Frank氏の記事は もとはつぎのようになっていました。

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これをつぎのように編集しました。

 

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今回の受賞の理由となった業績,cryo-electron microscopy はすでにのべられていたので,そこにカンマをいれて非限定用法のfor whichでそれを指示し,そのあとにhe shared the [[Nobel Prize]] in [[Chemistry]] in 2017 with Jacques Dubochet and Richard Henderson. といれて一度文をきりました。

* 二重の[  ]で語句をかこむとWikiのその項目へのリンクが自動的に挿入されます。

 

つぎにもうひとつの業績の記述のまえにHe alsoをいれて別の文にしました。これでかっこうついたかな?

 

ここでつかったfor whichのforはつぎのforとおなじ用法です。

 

U.S. geneticists Jeffrey C. Hall, Michael Rosbash and Michael W. Young have been awarded the Nobel Prize for medicine for shedding light on the biological clock that governs the sleep-wake cycles of most living things.

 

要はthank A for B, blame A for Bのforとおなじやつですね。「理由」とよんでもいいですが,「交換」「賞罰」のforともいえます。業績のみかえりに賞をもらったわけですね。

 

分野名chemistryのまえの前置詞は inforがつかわれますが,ちょっとまよったので

Ngramにうかがいました。

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inがちょっとおおいめだったので,inにしました。

でもliteratureではつぎのようになっていました。なんかわけがあるのかな?

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ちなみにmedicineではinとforはほぼおなじでした。誤差の範囲かな?

 

というわけで,いちおうおそれおおくもNobel laureateの記事を編集しましたが,気にいらないひとがいたらまたすぐかきなおすでしょう。

 

編集が完成した記事です。

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と,こんな感じで,日本語,英語,フランス語,スペイン語などのWikipediaをときどきちょこっといじっています。

 

では CU!

 

 

DRUG  FREE は麻薬天国??

DRUG  FREE は麻薬天国??

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むかし,ぼくは宝島社からでていたVOWという変な本がすきで,全部もっていました。誤植やへんな看板の投稿写真をあつめた本。その本にのっていた記憶がある,

 DRUG FREE ZONE

という看板。投稿者は海外旅行にいったらこんなのがあっておもしろいのでとったらしい。

 

もしかしたらそのひと,すごい誤解してたのでは?

麻薬やり放題だよ」みたいな意味にとったから投稿したのでは?

 

逆ですね。「麻薬禁止区域」という看板です。どこの世界にわざわざ「麻薬やり放題」って看板だすくにがあるでしょう?

 

GUN FREEという看板をみてもこんなことをしてはいけません。

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freeというのはたしかにちょっとやっかいな単語ですが。

確認しましょう。

 

free + A(名詞) →Aが無料(自由)

A(名詞)+-free  →Aがない・Aは禁止

 

これが原則です。

「Aがない」という意味の表現はみぢかになりつつあるとおもうのですが。「バリアフリー」とか「シュガーフリー」とか。まだうえの原則があやふやなひとがおおいみたいです。

 

Smoke Freeってかいてあるからタバコすってたらおこられた」とか「Alcohol-Free Partyだっていうから,ただでさけのめるとおもったのに,さけが全然でなかった」とかいろいろな悲劇をみみにします。

 

まちがいやすい例をみていきましょう。

まずライブハウスのコンサートなどの「ドリンク無料」は?

 

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Charge込」という言語感覚がすごいですね。

 

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日本英語ではこのようにDRINK FREE をよくみかけます。「ドリンク無料」とおなじ語順なので,われら日本人にはしっくりきますが,これも日本式ガラパゴス Englishです。

 

まあ日本人しかこないイベントならこれでいいんですけどね。

 

でもそれならかたかなで「ドリンクフリー」でいいのに。

英語のくにのひとがみたら「のみもの なし」か

のみもの禁止」だとおもうでしょう。

 

 

日本以外ではもちろんこうです。

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そう,FREE DRINKですね。

 

つぎに日本のWeb Siteでよくみかける 

 

This site is link-free.

 

このサイトはリンクなしです・禁止です」みたいな意味になりますね。

感じわるいです。

 

「リンクは自由」といいたいならPlease feel free to link to us.とかYou are free to link to this page.とかかけといってるひともいますが,ネットの世界ではリンクはるのって自由なのがあたりまえではないでしょうか。

 

公道に面した土地におみせをひらいて,でかい看板をだしといて,その看板のかたすみに

 

「当店を地図にのせるのは自由です」

 

ってわざわざかいてあるようなこっけいさを感じます。

 

自由がデフォなんだから,リンクはってほしくない人だけ「リンク禁止」ってかけばいいとおもいます。また特定のひとだけにみてほしいならFacebookで公開制限するとか,闇Webつかうとか(笑)すればいいですね。

 

この日本ガラパゴス英語もむかしからまちがいだといわれているのに,しぶとくつかわれていますね。これは文化や価値観もからんでるんでしょうね。

 

まあ個人のブログとかなら,どんなとんでも英語かいても個人のfreedomでしょう。

ぼくがこのブログにのせている英文作品の英語だってあやしいもんですしね(いちおうnative speakerにチェックはしてもらっていますが)。

 

でも公共のサイトでは

さすがにlink freeは

ちょっとまずいでしょう。

 

たとえば:

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自然言語処理をしごとにしてるサイトで

不自然英語link-freeはまずいのでは。

 

 

もっとまずいのは大学のサイトです。web siteは世界にみせる大学のかおみたいなものなんですから。

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これは学習院大の研究室。

 

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これは信州大。

 

 

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同志社です。

 

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早稲田の  "Academic Writing Program" のサイトです。

Writingのサイトでlink-free… 

 

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岡山大も。

 まだまだ いくらでもあります。

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北大も。

 

 

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東京農業大

 

 

そしてこれは東京大学のサイトです。

さて,うえに

「A(名詞)+ free   →Aがない・Aは禁止」

とあるのをみて,

「じゃあ『入場無料』のADMISSION FREEはどうなんだ?これは和製英語じゃなくてちゃんとした英語だろ!」とおもったひとがいるかもしれませんので,

それもしらべてみました。

 

まず辞書をみてみましょう。

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たしかにAdmission Freeとあります。

掲示〕とありますね。

 

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こちらにはどちらの順序でもおなじだとかいてあります。

 

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Entry Freeというのものっています。

 

でも,こういうのがのってるのって日本の辞書ばかりのようです。

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LDOCE にもCODにもOALDにもありません。

 

OEDもみましたが

 

free admissionは17件ありますが,

admission freeは 0件でした。

 

「むこうの辞書はこういう掲示みたいなのは

のせないのでは?」

そうおもわれるかたもいるでしょう。

たしかに辞書だけではよくわからない。

 

そういうときは,

そう,画像検索です!

 

まず  "admission free"を検索しました。"   "で語順を固定しています。

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 あれー,語順指定までしてるのに,でてくるのはfree admissionばかり。ひだりのはしのまるいやつはうえとしたにfreeがありますが。あ!みぎしたのやつは?

 

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おしい,isがはいっています。これは文ですね。

 

さらにscroll してさがしてみると・・・

 

 

あ,やっとひとつあった!Admission Freeだ。

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さっそくクリックしてみると・・・

 

 

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がっくり・・・日本のイラスト販売サイトでした。

 

よしつぎはentry freeだ。

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 あれ・・・全部free entry

 

じゃあ だめおしでNgram Viewerでは?

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まあこれは本のデータなので,掲示とかの表現はすくなそうですが。

 

というわけで,みなさんもfreeの表現は誤解しないようにご注意ください。

CU!

 

 

 

 P.S.

ある英語質問forumでこんなやりとりをみつけました。Native Speakerでも意見がわかれるみたいですね。

 

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Entry - Entrance - Admission?

 In a few weeks our students can come see a film at school; they don't have to pay to get in. What do I write on the invitations? Free entry? Free entrance? Free admission? Admission free?
Thx

 

Use either of the last two.
Richard Maurer 

 

 In Britain it would usually be "Admission free".
"Free entry" tends to be used to indicate that there is no restriction on those who are permitted entry. "Free entrance" means that the doors are not blocked.
"Free admission" would be fine, but is unidiomatic.
Matti

 

"Free admission" would be usual in the US unless in menu-like bill of charges: Admission .. Free, T-Shirt .. $12, etc. "Entry" suggest enrollment in some kind of contest or lottery, e.g. "includes free entry in drawing for fabulous door prizes." "Free entrance" does not seem to me very likely in any public gathering.

Joe Fineman 

この本 売れてるのかな?

この本 売れてるのかな?

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ちょっとまえにひさしぶりに旭屋書店にいきました。

そして,ふと英語関係の本だなをみたら・・・

 

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えっ?「前置詞がわかれば英語がわかる」?

 

面ざし(表紙がみえるようにたなにおくことをあらわす業界用語)でなんと,てがきのポップ広告つき? 10年以上まえにだした本なのになんで? 

 

ポップをよむと・・・

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『英語の「てにをは」=前置詞,ムズかしいですよね?

本書は,前置詞の真髄がわかると,とっても評判の

良い本です。前置詞の「なぜ?」が理屈でわかると,

あなたの英語が輝きだします』

 

 店員さんのてづくり感あふれるポップです(感涙)。

この本,うれてるのかなあ?まあ年2回はちょこっと増刷通知くるけど。

 

うちにかえってネットをしらべてみました。

まず「前置詞 参考書」でぐぐってみよう。

 

 

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えー?? トップなの? 

前置詞の本てけっこうあるのに。

 

じゃ「前置詞 本 おすすめ」ならどうかな・・・

 

 

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ええっ?これもトップだ・・・

 

 

「前置詞 本 ランキング」はどうだ?

 

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これもトップ!?  まじか・・・

 

じゃあアマゾンで「前置詞 参考書」を検索してみよう・・・

 

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おお,ここでもトップにでてくる。

 

 

ひょっとして

「日本前置詞界の覇者」

なんですか,この本は(笑)? 

 (まあニッチな小さい世界だけど)

 

 

こんなマニアックでこむずかしい本が??

 

たしかにかんがえてみれば,すでに数万部はうれてますが。

 

 

最初,講談社にこの企画もっていったら

 

「前置詞なんてタイトルにいれたらだめです。

せますぎます。『文法』という

おおきなタイトルでおねがいします」

 

といわれたので

 

「いやです。前置詞っていれてほしいです」

 

といったらあっさりボツられました(涙)。

 

がっくりしていたらジャパンタイムズ社が「これは前置詞でだしましょう!」と,ひろってくれたんです。

 

そのジャパンタイムズで「おおきなタイトル」でだしたのが

 

「見える英文法」

 

おおきくうれるかと期待したのですが・・・

 

「前置詞がわかれば英語がわかる」に

およびませんでした(泣)。

競争相手がおおすぎるのか,むずかしすぎたのか。

やさしくかいたつもりなんですけど。

 

アマゾンのレビューはけっこういいんですけど。

 

 

でもこの本についてもちょっとうれしいことがありました。

 

最近こういう本がでたんですが・・・

 

  徹底比較   

日本語文法と英文法 

 畠山雄二 編

平田一郎 寺田寛 岸本秀樹 

本田謙介 田中江扶 今仁生美

Amazon CAPTCHA

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日本語文法と英文法を見開きの左右でくらべるというおもしろいつくりの本です。おすすめです。

 

基本的なこともかいてあるけどけっこうアカデミックな本です。

 

 

この本に「おすすめの本と論文」というページがあります。

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そのおすすめリストに,なんと

見える英文法」がのってる!!

 

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 いわく,「本書は巷によくある図解と感覚で押し切る類いの本ではない。図式化はあくまで説明手段であって,可能な限り論理的な説明を試みているたとえば,仮定法に過去形が使われる理由として,これまでは「現在と離れた過去形を使うことで今の現実との距離感を出す」という説明がなされてきた。しかし「距離感」というのは感覚的であり,説明になっているようでなっていないともいえる。これに対して,本書では「今とは違う状況にするためには,過去にもどって状況を変える必要があるため過去形が使われる」と説明されている。本書は時制や相を論理的に考えるいいきっかけになるであろう。」

 

あの「日本人の英語」で有名なピーターセン先生の本とならんでいます。

おそれおおいです。ありがたいです。

 

ぼくの本以外は大学の教授とかの本がほとんどです。

 

びっくりしたなあ。

 

これは駿台の若手人気講師,S先生がおしえてくれました。ありがとうございました。

 

というわけできょうはなんか日記というより宣伝みたいになってしまいました。ごめんなさい。

 

ではまたー。

 

 

 Amazon.co.jp: 見える英文法: 刀祢 雅彦: 本

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Amazon.co.jp: 前置詞がわかれば英語がわかる: 刀祢 雅彦: 本

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まちがいさがし

まちがいさがし なおしてガッテン!

 

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このまえ(8月30日)NHKの「ためしてガッテン」で,「筋肉がおとろえるのは神経がおとろえるからだ」というはなしをきいて,めからウロコでした。

 

もとネタはこれですね。

Brian Clark Leads the Study of the Loss of Muscle Strength in Aging Populations

Currently, Clark heads the four-decade old Ohio Musculoskeletal and Neurological Institute (OMNI) which studies muscle, nerve and bone health. It also studies pain disorders and healthy aging. Currently, however, Clark leads a major study called the UnCode Study (Unravelling the Neural Contributors of Dynapenia in Elders). He translates that as meaning how nerves are related to the loss of muscle strength in our senior population. “Muscles are the puppets of the nervous system,” Clark says. “We are studying the relationships between the two and we also are investigating what elders can do to stop or reverse the loss of muscle strength.” UnCode is trying to identify and study the “neurological causes of muscle weakness associated with aging.” It then is trying to investigate “intervention strategies” to improve muscle and physical performance in our senior population. Two factors that can improve muscle strength are good nutrition and the requirement of exercise in some fashion.

Brian Clark Leads the Study of the Loss of Muscle Strength in Aging Populations - WOUB Digital

「くねくね体操」とかをやって神経をうまく刺激してやると,たいした筋トレをしなくても筋力をたもてるという,運動がめんどくさいひとにはみみよりなはなしでした。 

 

さて,もう気づいた人はいますか?うえの写真のなかのまちがい。democrasyにつづいてことし2つめです。

気づいたひとはコメントかいてください。

 

解答者があらわれました! そうMotor Neuronが正しいです。neuro-「神経の」という語根を知っていたらこんなミスしなかったでしょうね。

neurology 神経学

neural 神経の

neurosurgeon 神経外科医 

neuropathology 神経病理学

neurotomy 神経切除

neurotoxin 神経毒

 

語根をおぼえるとそれをふくむ単語すべてのつづりをまちがいにくくなりますからいいですよ。

 

 

See you!

 

 

 

OUR LIFE or OUR LIVES, that is the question.

OUR LIFE or OUR LIVES, that is the question.

 

英語をかくとき,たとえば「わたしたちの生活」をour lifeにしようかour livesにしようか,まよったことはありませんか?

所有格+名詞につきまとう単数・複数の問題はかなりやっかいです。

 

たとえば自分たち4人がひとつのいえにすんでいるなら自信をもって our houseといえますね。4人がひとりずつ自転車にのってサイクリングしているならour bikesというでしょう。

でももうすこし抽象的なことばではどうでしょう。

 

英作文の講義をしていてよくでてくるour life /livesについてしらべてみました。

 

lifeは多義語なので,「生活・人生・いのち」などいろいろな意味があるので,本当はわけてかんがえないといけないのですが,とりあえずおおざっぱにしらべましょう。

 

まず入試のデータ最近16年分。(our life spanなどのフレーズはとりのぞきました)

 

our lives    1048

our life        126

 

圧倒的に複数形がおおいですね。

 

映画・ドラマのデータもみました。

 

our lives    750

our life         95

 

 

では,いつものNgramでしらべてみましょう。

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むかしから複数形がおおかったみたいですが,なぜか1970年あたりから複数形がさらにふえていますね

 

 

もうすこし精密にしらべましょう。our lifeだけだと our life spanとかour life stylesとかがカウントされてしまうのでちょっとくふうします。うしろに動詞をつけると,いまいったような問題をさけられます

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あれ?このしらべかたでは1900年ごろはいまと逆に単数形がおおいですね。そしてやはり1970年あたりで勝負がわかれています。

 

つぎのようなフレーズもしらべてみました。

入試データです。

 

our daily lives 139

our daily life      42

 

 修飾語をくわえることで,意味をしぼりこむという作戦です。こうすれば「生活」の意味だけのばあいをくらべられますね。でも修飾語をつけるとデータ量がへります。

数字がちいさいのであまりあてにはなりませんが,さっきより単数形の率がおおきいです。

 

ではNgramです。

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ふーん,さっきとおなじような変化がみられますね。やはり1900年ごろは単数形がかっていたのに,1970年あたりから逆転が決定的になっています。

 

もっと多角的にしらべないとなんともいえませんが,こんな基本的な文法にかかわることでも時代的変化がおきているようですね。

 

ではまたー。

 

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